【鵜澤政則のウキフカセ釣り最強の法則】
   
うざわまさのり  1951年生まれ、千葉県在住。
ウキフカセ釣りの第一人者。25歳から各種トーナメント
に出場、多くのタイトルを獲得する。
現在 キサクラ、ダイワなど、多数の釣り具テスターとして活躍中

■VERSION  2■必釣のための戦略的アプローチ STRATEEGIC APPROACH

本流通す下田沖根。速い流れは磯にぶつかり、跳ね返って潮目を作る。 流れの中では潮が湧き上がり、潜り込んでいく。 流れの強いポイントを攻略するのは難しいものだが、エキスパートは次から次ぎへと魚を掛けていった---

●DATA
[釣行日]2001年6月23日     [釣り場]南伊豆下田沖・石取根&石取小根
[時 間]06:00〜12:30      [釣 魚]メジナ、イサキ
[潮回り]中潮 満潮05:14  干潮12:17(東京芝浦標準)
[天 候]曇り 気温23.5度 水温20.7度   風 西1.7m
[渡 船]ひがし丸 п@0558(22)4081 

エキスパートの戦略と戦術
■速い本流と潮目周辺の複雑な流れのなかで、
    うまく仕掛けが立つようにコントロールする---■

 梅雨のメジナというのは梅雨の時期に釣れるメジナの呼び方で、この時期によく釣れるため昔からそういわれています。  春、乗っ込んできたメジナが産卵をするのは関東周辺の場合、大体4月から5月で、何回かに分けて卵を産みます。 産卵直後は消耗しきっているため、深い所に行ったり岩の陰などで体調が回復するのを待ちます。 その期間は約1カ月くらいのようです。そして体調がもどると再び体力をつけるため、磯近くに寄ってきて活発にエサを捕食しだすのであります。 ちょうどそれが梅雨の時期と重なっているから梅雨メジナ″になるのですが、関西では梅雨グレ、九州では梅雨グロと呼ばれて各地で同じように楽しまれています。

 梅雨どきは曇りや雨の日が多いので、空が雲に覆われて太陽の光が少なくなります。元来メジナは、明るい所が苦手で日の光が強い時はあまり岩陰などから出てきたがらないため、曇天や雨天の暗い日はメジナをコマセで呼び寄せるには非常に好都合(?)なのであります。この時期のメジナのエサの食い方や動きは乗っ込みのころよりもずっと活発で、浅いタナまで浮いてくることも多いようです。つまりそれだけ釣りやすくなるというわけで、昔から楽しまれているのです。  しかしそれも梅雨が明けるまで。

夏の太陽が強く照って日の光が強くなると、日中はあまり動かなくなり、主な活動の時間帯は朝晩が中心になります。ただし尾長メジナはその限りでなく夏でも動くので、このあとの季節は日中に尾長メジナがヒットしてくることが多くなります。そうしたメジナの動きとは別に、これからの時期、暑さにはそうとうの我慢が必要ですが、この時期ならではの楽しみもまたあるものです。今回の釣り場である下田の沖根の石取根は、手石港から渡船で約10分の所にある潮の通しの抜群によい所で、この時期はメジナよりもイサキの名場所として知られています。

■ポイントは目の前の潮目!コマセは広がりすぎないようにまく!!■

 この日海は比較的静かだったので、最初の予定では石取根の沖側にある平根あたりに乗るつもりでした。が、朝の渡船の時間が満潮と重なっており、また多少の波気も残っていたため、低い平根はたまに波が磯を洗っていました。これでは一緒に磯に上がるカメラマンの機材が心配です。そこで、足場が高く安全な石取根の西の角に上がることにしました。ここは深さもあり、上り、下りどちらの潮の流れでも釣りやすい場所です。

 磯に上がった直後はまだあまり潮は動いていなかったのですが、釣りの支度をしているとすぐに下りの潮が入ってきて、時間が経つにつれてだんだん速い潮が流れ始めました。今回の直前の情報から、予想としてイサキが数多く食ってくるという感じでした。この時期の魚は、水温が上がり基調なら活性が上がっているので釣りやすい時期です。この時期で深さのあるこういう場所では、流れの中がポイント。したがって、どうしても一度は本流に仕掛けを流してみる必要があります。流れの中では軟らかい穂先では曲がりすぎてアタリを取りにくいもの。硬めの穂先のほうがアタリを取りやすくて有利なので、今回のタックルは、竿はダイワのメガドライ1・2号をチョイス、リールはトーナメントZ2500LBCD、ラインは東レのスーパーストロングの2号、仕掛けはいつもとほぼ同じ0の仕掛けです。ウキはIDR PROの0号、ハリスはスーパーL・EXの2号を最初は約4メートル取って、ハリはダラン、ZEEK早掛の6号を使用しました。

 コマセはオキアミ9キロにダイワの「伊豆メジナ」と開発中の仮称「鵜渾SP」を各1袋まぜています。オキアミはあまり潰さずに集魚エサでまとめるようにしました。  ポイントは目の前にできている潮目。 だんだん潮の流れが速くなってきているし、周囲にも釣り人が多かったので、コマセは目の前の潮目周辺に効くように、放り込んで集中して投入しました。こういう状況でコマセを広げるように多量にまいてしまうと、潮下に広がっていってしまってポイントがポケてしまうのです。目の前にまいたコマセは、ゆっくりと左から右に沈みながら流れています。

 やがて潮はもっと速くなり、目の前には右に流れている本流があって、潮目が少し陸地側に離れていきます。その手前では潮目に引かれるように回り潮が左に流し始め、また潮の湧きなどもできたりしてけっこう複雑な流れになっています。この中を釣らなければならないので、仕掛けはいつもはほとんど付けないかジンタンオモリの6号前後を使っているのですが、それよりもやや重めのジンタン4〜5号を数個付けるようにしました。

軽い仕掛けでは潮の下にもぐってゆかず、浮かされてしまうからです。ヒットしているタナは意外と深く5〜8メートルくらい。もう少しコマセが効いてくるとだんだん浅くなってくるはずです。しばらくすると潮がもっと速くなり、目の前はそれまで流していたのとは逆にまるで潮の流れが止まったような状態になってきました。こういうときはもう潮目しか狙う所がなく、できるだけ左のほうから潮目の沖側に仕掛けを入れて、潮に乗せるよ−つにして何とかイサキを食わせていました。タナはそれはど深くなくもだいたい5メートル以内です。

■小根では入れ掛かり!うまく流せれば、あとは手返し勝負■

 そうこうしているうちに潮が下げ始め、石取根の東側にある離れ磯に乗れると船長が迎えに来てくれたので、場所を変えました。ここは陸側と沖側二つの離れ磯があり、今回は足場の高い陸側の「小根」に乗せてもらいました。潮は石取横方向から流れてきていて目の前の流れはまるで川のようになっています。石取根に背を向ける形で釣りを再開、初めに冨田くんにポイントを決めてもらうと彼は沖側の根との間の水道を狙うとのこと。

 そこで私は陸側に釣り座を構えました。潮の流れが速いので、先ほどとほぼ一同じ仕掛けで釣るのですが、なんと第1投からいきなり竿をひったくるようにアタってイサキが食ってきました。その後は入れ食いで、潮、目に投げて流してもケンミになった所に入れてもすぐにイサキが食ってきます。しばらく釣っているとそれにメジナが交じり始めて、もう仕掛けを入れれば食ってくるという感じです。

 仕掛けを流しても止めても、何をしても食ってしまいます。こうなると細かいテクニックがどうのではなく、潮流に仕掛けを乗せて流すことと、手近しの速さで釣れる数が決まってしまいます。こういう状況では全遊動よりも国定のほうがアタリが出やすいので有利と考え、ウキ下4〜5メートルの固定仕掛けに切り替えました。ウキは鵜澤0専科の1/2Bにチェンジ。魚が浮いている場合は、このほうが効率よくヒットさせることができます。

一方、冨田くんは沖側にある離れ根との間を狙っていたのですが、ここは本流が今、自分が乗っている根にぷつかってから流れている、いわば支流の流れで、けっこう複雑な流れになっています。基本的には私の前に流れている潮に引かれてしまう形になってくるので、コマセの流れ方が把握しにくくちよっと難しい潮だと思います。しばらく釣っていたのですが、私のほうの入れ食いに比べ彼のほうはあまり数が出ていないようだったので、場所を交代して釣ることにしました。

 彼が私の釣っていた所で釣り始めると、やはり魚がいる所に仕掛けが入ればそれなりに食ってくるようです。手返しの点と流し方(冨田くんは仕掛けを流れに乗せ切れていなかった)の問題でピッチは遅いのですが、それでも彼にもポツポツとイサキ、メジナが上がってきます。釣っている彼の顔がテレも入っているようですが、いつもと違ってとてもうれしそうないい顔になつています。やはり釣りは釣れなければダメなのですね。今回のキーワードは「潮の流れの中で仕掛けが立つかどうか」でした。 

COLUMN
速い流れを攻めるにはコツがある 魚の活性は高いので攻め方次第で数が釣れるぞ

潮の速く流れる所で気を付けることは、まずコマセをあまり広げてまかないことです。そして、本流の中にあまり多くコマセを投入しないようにすること。また、仕掛けがきちんと沈むようにコントロールするか、沈む仕掛けを使うことです。
 基本的にはこういう流れの中は、魚の活性が高いのであまりタナがどうこうとは考えずに、コマセと同じ流れを流すことが数を伸ばすコツです。
 またやたらにナガしていては効率が悪いので、魚の食ってきた距離を覚えておいて、常に食う場所をチェックしながら釣ること。ウキ、仕掛けにアタリが出ないまま、魚の食っている所よりも遠くに仕掛けが流れていくようであれば、付けエサが取られていることが多いのでエサの有無をチェックすることです。
 コマセはあまり細かく潰さないように、また足元にまく時以外は広げてまかないことが大切です。