【ウキ名鑑 第二十三回 KzGTR】 ■シンプルで軽い仕掛けを使い 全層を探る!■ 岩永和久 釣りはイメージすることから始まる。どんな釣法でも同じだろうが、特に磯釣りでは潮流、水深、海底の形状や沈み根 の位置、そして刻々と変化する魚のタナと、どれをとっても直接確認することのできない海の中のことであり、釣り人は それらを想像しながら釣りを展開する。 つまり1本の釣り糸を通して未知の空間に分け入り、あらゆる情報を収集分析、想像力を働かせながら仕掛けやタナ などを決めてゆくのだ。 ひと昔前の五島列島では「グレは浮かせて釣れ」といわれたくらいにウキ下は浅く2ヒロ、3ヒロで十分型のいいグレが 釣れたものだ。もちろんそうした状況でも、より大型を求めるのが釣り人のロマン。私もほかの釣り人と同様、大型を求めて五島の磯を飛び回ったが、様ざまな釣り場で竿を出すにつれ、また時が過ぎるにつれて仕掛けも変化していった。 初めのころは固定仕掛けをよく使ったが、次第に半遊動仕掛け、ウキ止め不要の全遊動仕掛け、そして上層から底層までくまなく探っていく 全層仕掛けへと変えながら、数を減らしてゆくグレを追いかけ続けた。当然、仕掛けに合ったウキを求め、市販ウキの改造から始めてウキを自作するようにもなった。数年間は理想のウキを求めて試行錯誤を繰り 返したが、1998年、キザクラより.私が考案したKzGTRがリリ−スされることになった。 軽い仕掛けを大型グレがいると思われる深ダナヘ付けエサ先行で運ぶには、ウキ穴を大きくすることが有効だ。が、穴を大きくすると、道糸がス ムーズに入っていく分アタリが出にくく、またラインコントロールをおろそかにしたはり仕掛けを重くすると根掛かってしまう。 そうした、いわばリスクを負ってもGTRを使うメリットがある。それはGTRが魚の口元へ付けエサを運ぶために仕掛けをイメージどおりにコントロールできるウキだということ。 このウキのキャッチコピーは「誰でも釣れる何でも釣れる簡単仕掛け」だが、ウキ止めもシモリ玉も不要のシンプルな仕掛けで、指を弾くようにラインがリ−ルから出ていく強烈なアタリが体感できる釣法にマッチしたウキに仕上がっている。