鵜澤流無敵のウキフカセ釣り 【名手の手ほどき】
LIVE VERSION「南伊豆入間・川伍での実釣」

今年、伊豆半島では小サバの群れが接岸。釣り場によって、あるいは状況によって苦戦は必至だ。ただ、小サバのいない状況なら良型交じりでメジナが数釣れるとのこと。できるだけ潮の流れのある所がよかろうと、入間の名礁、川伍へ渡った。

この日川伍はいい具合に下りが差してくれた。 数年ぶりにメジナが好調といわれている伊豆半島。昨冬以降、各地でメジナの好釣果が聞かれました。今期は春を過ぎてもまずまず好調を維持していたので、いい思いをした読者も少なくないことでしょう。

しかしまあ、好事魔多しの言葉もあるように(大げさかな)、そういう調子のよいときにはそれを邪魔する嫌われ者もいるもの。今年は6月くらいから南伊豆の各磯に小サバが寄って、場所によってはかなり釣りづらい所もあったようです。
 
もちろんわたしもそれを知っていたので、今回の取材のための情報集めでは、真っ先にサバの有無を確認しました。コマセ釣りをする限り、エサ取りは常に本命と同居していると考えなければなりません。したがって今なにがエサ取りなのか、釣行前に把握しておく必要があります。

わたしの釣りは各種情報を集めることから始まります。それは天気であり、本命の釣れ具合であり……。エサ取りの状況を確認するのも、その一環というわけです。
 
こうして集めた情報から見えてきた取材日前後の全体的な状況は、エルニーニョ現象のせいなのか、はたまた雨が多く川の水が海に入っているためなのか理由は定かではありませんが、まだ海表面に比べて底のほうの水温が低い様子。今のところイサキの産卵が遅れているようで、今イチ、イサキ特有の数珠連チャン釣れといった爆釣は見られていません。

ムラはあるものの各地でまだ卵を持ったイサキがメジナとともに釣れているので、うれしいといえばうれしいのですが……、複雑な気持ちです。ただ小サバのほうは、ここにきてようやく数が減ってきた模様。
徐々に小サバの群れが去ってゆき、いよいよ夏磯本番へ、という感じでした。


■浅ダナで尾長、深く探って口太がヒット■
この日は小サバがいなかったため、深いタナまで仕掛けが入り、良型口太もヒットしてきた!

さて、今回取材を行ったのは7月17日。
まだ梅雨は明けていなかったのですが、この日は梅雨の晴れ間で気温も上がり、まさしく夏の陽気です。これからもっと暑くなると、磯釣りにはつらい季節。暑さ対策が必要となります。
 
前回は梅雨真っ最中に下田沖の神子元島に釣行したので、今回は伊豆半島の地周りの沖磯を攻めることにしました。釣り場は入間。事前の情報によれば、小サバのいる磯といない磯があり、いない磯に上がればメジナは良型交じりで数も期待できるとのことでした。
 
夏のメジナ釣りは潮の流れの中を釣るのが絶対条件で、タナは浅めが基本です。
潮の流れのない所では魚の活性は上がらないし、エサ取りだらけになってしまうことが少なくありません。とりあえず釣り場は有名ブランド磯(?)でなくともよいから、潮の流れがある所に上がることが先決です。
 
午前5時、入間の渡船はいつものように「用意、ドン!」でスタートしたあと、後ろからのマクリあり、かぶせありのボートレース状態と化します。わたしたちを乗せた常進丸が狙った磯は、潮の流れはよいけれど磯が表にあるためにナギのときしか乗れない川伍。この日は波が静かだったので、ここに渡礁することができました。
 
晴れているので暑いだろうと思っていたのですが、磯に立つと北東の風があるためにそれほど暑さを感じません。ありがたいといえばありがたいのですが、風が強いと当然釣りにくくなるので、まあ痛し痺しというところです。
 
先ほども触れたように、このとき伊豆半島全域は小サバ注意報発令中。はっきりいって、わたしの最も嫌いなエサ取りのひとつです。この小サバ対策として、最初は集魚力の高い配合エサは入れずオキアミのみのコマセで様子を見ることにしました。
 
潮は最初のうち、ゆっくり流れていましたが時間とともにだんだん速くなっていきます。流れの方向も本来の流れと回り潮がぶつかり、押し合う力問係で流れの筋が右へ左へとコロコロ変わります。
 
こういう潮の流れの速い所では、まず第一に潮目、次に潮の潜り込む所がポイントとなります。水面の波の感じを見て流れの筋を見つけ、さらにその流れの筋の中で潮が潜り込んでいく所を探してポイントを見定めるわけです。深いタナに仕掛けを入れたいときは、この潜り込む潮に仕掛けを合わせて潜らせていきます。

釣り始めて30分ほどは海中には何も見えなかったのですが、やがて足元にサバではなく30センチクラスのメジナが見え始めました。エサを拾って水面下2メートルくらいまで上がってきます。

当然この時期なので、狙いは尾長メジナが主体。足元のメジナも浮いてきているので、初めは狙うタナを浅めに設定し、ウキ止めを付けてウキの遊動幅を固定した仕掛けで流すと、思惑どおりに尾長メジナがヒットしてきました。ウキはIDR鵜澤アラの0。ウキ下が浅いこと、魚の活性が高いことなどから、ウキは一気に水中に持っていかれます。
 
このパターンで何尾か釣ったあと、今度は潜り込む潮に仕掛けを乗せるために全層仕掛けに変更。このとき、オキアミのみで使っていたコマセに流れのよく見える白色系の配合エサ(強力グレZ本流)を、コマセにまとまりがつく程度の量を加えました。00のウキを使い、ハリスにジンタン7号を3個付けた重めの仕掛けを深く潜らせていくと、口太メジナの30センチクラスが狙ったとおりにヒットしてきました。
 
深めのタナを探ると口太メジナがコンスタントに食ってきますが、サイズは30センチ級。今日はずっとこのままの大きさかと思って釣り続けていると、我慢はするものです、38センチほどの口太メジナがヒットしてきました。この時期あまり口太の良型は出ないものですが、やはり底のほうでエサを食っていたのです。
 
いつもならこの季節はエサ取りが多いため、いくら仕掛け(付けエサ)を深く沈めようと思っても途中でエサが取られてしまいます。ましてや流れのない所はエサ取り天国。とてもじやないけれど、型もののメジナはおろかイサキでさえも釣れません。
 
その点今回は、エサ取りがほとんどおらず非常に釣りやすかったのです。邪魔といえば小型のメジナがヒットしてくること。とはいえ、秋口のようなワッペンサイズの大群ではないので、対処のしようもあります。もちろん小型はリリースしました。さすがに活性の高い時は流れがあってタナさえ合えば、おもしろいようにヒットしてくるものです。
 
■今回の釣り方では軽い仕掛けの扱いがキモ!■

ナガレの中で軽い仕掛けをいかに使いこなすかが勝負。慣れていない人は重めの仕掛けで確実にタナを取ろう!

今回の釣り方では、流れの中で軽い仕掛けを使いこなせるかどうかがポイントとなります。
 
軽い仕掛けでタナをキープするためには流し方に技術が必要なので、まだあまりウキフカセ釣りに慣れていない人には難しいかもしれません。潮の流れに仕掛けを乗せて流すときに、少しでもラインを張ってしまうと付けエサはすぐに水面近くまで浮き上がってしまうのです。

ですから、軽い仕掛けが苦手な人やまだ使いこなせないという人は、流れがある所では2B〜3Bのガン玉を付けた仕掛けでしっかりとタナを取るほうが無難です。当たり前のことですが、メジナの口元に付けエサが届かないと食ってはくれないのです。

このとき、沈んでいるのはハリに近い側(つまり一番下)に打たれたガン玉までで、この一番下のガン玉からハリまでの間のハリスは、潮に流されて横になびいていると思ったほうがよいでしょう。
 
今回使ったタックルは、竿がトーナメント制覇1.2号に、リールはトーナメントISOZ2500LBD。ハリスは1.7〜2号で、水面近くの浅いタナを流すときは固定仕掛けにして2〜1メートル、00のウキを使って深く探るときは全層仕掛けで4メートルとやや長めに取りました。ハリはZEEKグレフカセ競技の6〜7号を使いました。
 
深いタナから浅いタナヘ、逆に浅く攻めていたのを深く探ってみるというように、狙うタナを大きく変えたときでもハリスを変えない人がいます。しかし、浅いタナならハリスを短く詰めなければならないこともあるはずだし、狙いを深いタナに戻すなら、いったん短く詰めたハリスも長いハリスに戻すべきです。

要するに、狙う深さによってハリスも含めて仕掛けを変更することが大切。面倒がらずこまめに仕掛けに手を入れることが、よい結果につながるのです。
 
また潮の速い所を流すときは、特にタナが取りにくいのでガン玉を使うことになります。この場合大きいものを1個付けるのではなく、トータルでウキの浮力と釣り合うように、いくつかに分けて多段打ちにすることです。
 
流れの速い所では、ウキの浮力よりも多少オーバーウエイト気味にオモリを付けてもウキは沈んでいきません。速い流れによって、それだけ仕掛けが浮かされているということです。これは風のあるときも同様です。
 
アタリは浅めのタナを釣っているときは全層仕掛けのときでもウキで判断しますが、深く沈めてゆくときは竿に直接アタリを感じたり、ラインがいきなり走ったりするので確認できます。
 
普通、この時期の魚は活性が上がっているので食い込みはよいものです。したがって、相手が尾長メジナなら早合わせのほうがよいでしょう。口太メジナの場合は、早合わせをするとすっぽ抜けが多くなるので、一息タイミングをズラしてやや遅めに合わせます。
 
ハリハズレを防ぐためには、食い込みと掛かりのよいハリ先の鋭いハリを使うことが絶対条件で、しっかり食い込ませることが大切です。したがって、浅く釣るときはできるだけ仕掛けの抵抗を与えたくないので、小さく軽めの仕掛けにすること。深く探るときも抵抗になるものはできるだけ排除することです。
 
手前で食ってくるとき、それほど遠くまで流さずに食ってくるときは、竿は穂先の軟らかいものが食い込みがよいようです。逆に本流の中や遠くまで流すときには、やや硬めの穂先のほうが合わせが効くので使いやすいでしょう。
 
夏の磯には青物も多く回遊してきています。メジナやイサキ以外にもイナダ、シイラ、ソウダカツオ、ヒラマサなど、なにがヒットするか分からないという楽しさもあります。この日の取材でも85センチほどのシイラを10分以上かけてゲットしました。こうしたゲームも楽しいものです。
 
暑くてなかなか腰を上げにくい時期ではありますが、お盆を過ぎれば風も乾いてくるので、たまには磯に出かけてみてください。ただし真夏の昼間はさすがに暑さも半端じゃありません。晴天ならなおさらです。釣りは朝のうち、せいぜい午前中が勝負の時間となります。一番よい時間帯に手際よく釣るためには、磯に乗ってすぐに釣りがスタートできるように渡船に乗る前から準備をしておくことです。そして暑さ対策の冷たい飲み物は山ほどクーラーに入れて持っていくこと。また日焼け止めは必ず使用することをおすすめします。夏磯をナメたら痛い目に遭いますよ。

●渡船/常進丸TEL0558・65・0854